株式公開買付とは

株式公開買付(かぶしきこうかいかいつけ、Take Over Bid 、又はTender Offer Bid の頭文字からTOBと略される)は、ある株式会社の経営権の取得などを目的に、株式の買い取りを希望する企業や個人が、「買い付け期間・買い取り株数・価格」を公表して、不特定多数の株主から株式市場外で株式を買い集める制度。

買収や子会社化などの企業の経営権の取得以外では、市場に流通する「自社の株式」(自己株式)を購入するために使われることもある(購入後は、株式消却または金庫株化)。

制度概要
証券取引所上場企業や、未上場でも有価証券報告書の提出が義務付けられている株式会社の株を市場外で5%以上買う場合、原則、TOBで買い付ける必要がある。また、市場外で株式買取後の議決権が全体の3分の1以上になる場合には、TOBが強制的に適用される。

尚、市場内で議決権が全体の3分の1以上の株式を取得しても問題とならない、との解釈に基づき、ライブドアが東証の取引開始前の時間外取引でニッポン放送株式の29.5%を取得、グループとして発行済み株式のうち35%を保有するに至った件や、村上ファンドが市場内・市場外を併用して38%を取得した件などの反省から、平成17年の証券取引法改正により、市場内取引でも、ToSTNetなど証券取引所の立会外取引(時間外取引)によって、買付け後の株券等所有割合が3分の1を超えるものについては、同じく公開買付によらなければならないこととされた。

TOBが強制されることの趣旨は、経営権の移転に関する情報開示と、株主公平の原則の2つにあるとされる。

実施に際しては、条件の新聞への公告や、財務局への届出の手続きが必要となる。実施中は、この方法以外で当該株を購入することは出来ない。

友好的TOB・敵対的TOBとは

買収される会社の経営陣等の賛同を得て実施する株式公開買い付けを、友好的TOB。これに対して、賛同を得ずに一方的に行う株式公開買い付けを、敵対的TOBと定義されるのが通常である。

なお、買い付けの対象となった側が、経営権などを取得されることを望まない場合、あらかじめ自社の資産を処分してしまい「買い付けする価値」自体を失わしめることがある。買収への防衛策(対抗策)一種で、焦土作戦とも呼ばれる。買収対抗策については、M&Aの項目を参照。

著名な実施例
ニッポン放送 - フジテレビが実施
オリジン東秀 - ドン・キホーテとイオンが実施 → イオンに軍配、ドン・キホーテが買い増していた保有株式をイオンに売却
阪神電気鉄道 - 阪急ホールディングスが実施
北越製紙 - 王子製紙が実施 → 失敗。三菱商事が筆頭株主、日本製紙グループ本社・大王製紙も上位株主に
三菱伸銅 - 三菱マテリアルが実施
クラリオン - 日立製作所が実施 → 日立子会社で同業中堅のザナヴィ・インフォマティクスを傘下に入れる
明星食品 - 米系のファンド・スティール・パートナーズ・ジャパンが実施 → 同業者で業界トップの日清食品が対抗して実施
メルシャン - キリンビールが実施(筆頭株主で同根でもある味の素もこのTOBに応募した模様)
住商リース - リース業界再編のため住友商事が実施 → 成功。来年度中に三井住友銀リースと合併へ
筒中プラスチック工業 - 親会社の住友ベークライトがTOBで完全子会社化目的に実施 → 完全買収完了後、親会社へ吸収合併の予定
サンテレホン - 米・ダルトン・インベストメンツが株式買い増し → 日本産業パートナーズ(みずほ系)と米・ペインキャピタルの合弁による投資会社が対抗して実施(今回はMBOも兼ねて行う模様)
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